
大腸がんになると人工肛門になる?手術と早期発見を大腸肛門病専門医が解説
「大腸がんになったら人工肛門になるの?」
「できれば人工肛門にはなりたくない……」
「大腸がんを早く見つけるには、どうすればいい?」
大腸がんについて、このような不安を感じている方は少なくありません。
結論からいうと、大腸がんになったからといって、必ず人工肛門になるわけではありません。
人工肛門(ストーマ)が必要になるかどうかは、がんができた場所、がんの進行度、肛門との距離、手術方法、患者さんの全身状態などによって決まります。
特に重要なのが、大腸がんをできるだけ早い段階で発見することです。
大腸がんは、早期であれば内視鏡治療で切除できる場合があります。また、手術が必要になった場合でも、病変の場所や進行度によっては肛門を温存できるケースがあります。
この記事では、香芝市の大腸肛門病専門医が、
- 大腸がんになると人工肛門になるのか
- 人工肛門が必要になるのはどんな場合か
- 大腸がんの手術にはどんな方法があるのか
- 大腸がんを早期発見するにはどうすればよいのか
- 大腸カメラがなぜ重要なのか
について、一般の方にもわかりやすく解説します。
そもそも人工肛門(ストーマ)とは?
人工肛門とは、手術によってお腹に造る便の出口のことです。
「人工肛門」と聞くと、「一度造ったら一生そのまま」とイメージする方もいらっしゃいます。
しかし、人工肛門には大きく分けて、
① 一時的な人工肛門
② 永久的な人工肛門
があります。
一時的な人工肛門は、腸をつないだ部分を保護する目的などで一時的に造り、状態が落ち着いた後に閉鎖して、再び通常の肛門から排便できるようにすることがあります。
一方、がんの場所や進行度などによって肛門を切除する必要がある場合には、永久的な人工肛門となることがあります。
つまり、「大腸がん=一生人工肛門」ではありません。
大腸がんで人工肛門になるのはどんな場合?
人工肛門が必要になる可能性が高くなる代表的なケースは、肛門に近い直腸にがんができている場合です。
大腸は大きく「結腸」と「直腸」に分けられます。
大腸のイメージ
小腸
↓
結腸
↓
S状結腸
↓
直腸
↓
肛門
結腸にできたがんでは、がんの部分を含めて腸管を切除し、残った腸管同士をつなぐ手術が一般的です。
一方、直腸は肛門に近いため、がんの位置や広がりによっては、肛門を温存することが難しい場合があります。
特に、肛門に非常に近い直腸がんで、がんを安全に取り除くために肛門も切除する必要がある場合には、永久人工肛門を造る手術が選択されます。
「早期発見」が人工肛門を避けるためにも重要
もちろん、人工肛門が必要になるかどうかは、早期か進行がんかだけで決まるものではありません。
ただし、大腸がんを早期に発見することは、治療の選択肢を広げるうえで非常に重要です。
大腸がんは、がんが粘膜内や粘膜下層の浅いところにとどまっている場合、条件を満たせば大腸カメラによる内視鏡治療で切除できることがあります。
国立がん研究センターによると、リンパ節への転移の可能性がほとんどなく、技術的に一度で完全切除できる病変などでは、内視鏡治療が選択肢となります。
つまり、
早期発見
↓
大腸カメラで詳しく確認
↓
内視鏡治療が可能な病変なら内視鏡で切除
↓
大きな手術を避けられる可能性
というケースがあります。
すべての大腸がんが内視鏡で治療できるわけではありませんが、「できるだけ早く見つける」ことが非常に大切なのです。
大腸がんの手術では、必ず人工肛門になる?
いいえ。必ず人工肛門になるわけではありません。
大腸がんの手術では、がんのある腸管と周囲のリンパ節などを切除し、その後、残った腸管をつなぐ「吻合」を行うことがあります。
腸管を安全につなぐことができれば、人工肛門を造らずに済む場合があります。
一方で、直腸がんなどでは、手術後の縫合部分を保護するために一時的な人工肛門を造る場合があります。
その後、腸の状態が安定したことを確認して、人工肛門を閉じることがあります。
したがって、
| 状況 | 人工肛門 |
|---|---|
| 早期大腸がんで内視鏡治療が可能 | 必要ない場合が多い |
| 結腸がんを切除して腸をつなげる場合 | 必要ない場合が多い |
| 直腸がんの手術 | 一時的に必要となる場合がある |
| 肛門に近い直腸がんで肛門切除が必要 | 永久人工肛門となる場合がある |
| 腸閉塞など緊急性の高い状態 | 人工肛門が必要となる場合がある |
※実際の治療方針は、がんの場所や進行度、全身状態などによって異なります。
大腸がんは「症状が出てから」では遅い?
ここが大腸がんについて非常に重要なポイントです。
早期の大腸がんは、症状がないことが少なくありません。
「血便がないから大丈夫」
「便通に問題がないから大丈夫」
とは限らないのです。
国立がん研究センターでも、早期の大腸がんは自覚症状がないことが少なくなく、症状がない段階で検診を受けることが重要とされています。
そのため、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが大切です。
40歳を過ぎたら大腸がん検診を
現在、日本の大腸がん検診では、40歳以上を対象に1年に1回、便潜血検査を受けることが推奨されています。
便潜血検査では、便に混じった目に見えない血液を調べます。
大腸がんや大腸ポリープなどがあると、大腸から出血して便に血液が混じることがあります。
大腸がん早期発見の基本
40歳以上
↓
年1回の便潜血検査
↓
「陽性」なら精密検査
↓
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
↓
必要に応じてポリープ・病変を治療
便潜血検査で「陽性」と言われた場合は、症状がなくても放置せず、精密検査を受けることが大切です。精密検査では通常、大腸内視鏡検査が行われます。
「便潜血陽性=大腸がん」ではありません
ここも患者さんからよく質問されるポイントです。
便潜血検査が陽性になったからといって、必ず大腸がんというわけではありません。
大腸ポリープ、痔など、さまざまな原因で便潜血が陽性になることがあります。
しかし、逆に「痔があるから血が出ただけ」と自己判断してしまうのも危険です。
便潜血陽性の原因が何なのかを確認するために、精密検査として大腸カメラを受けることが重要です。
こんな症状があれば大腸カメラを検討しましょう
大腸がんは早期には症状がないことがありますが、進行するとさまざまな症状が現れることがあります。
🔴 大腸カメラを検討したい症状
- 血便が出る
- 便に血が付く
- 黒っぽい便が続く
- 便が細くなった
- 便秘と下痢を繰り返す
- 排便回数が変化した
- 残便感がある
- お腹が張る
- 腹痛が続く
- 原因不明の貧血を指摘された
- 体重が減ってきた
- 便潜血検査が陽性だった
特に、便潜血陽性、血便、便通の変化、便が細くなったなどの症状がある場合は、「そのうち治るだろう」と様子を見続けないことが大切です。
症状がある場合は、検診を待つのではなく、消化器内科などの医療機関を受診しましょう。
大腸カメラは「がんを見つけるだけ」の検査ではありません
大腸カメラの大きな特徴は、大腸の粘膜を直接観察できることです。
さらに、検査中に大腸ポリープなどの病変が見つかった場合には、病変の種類や大きさなどに応じて、その場で治療できることがあります。
大腸がんの中には、大腸ポリープの段階から時間をかけてがんになるものがあります。
そのため、
ポリープを発見する
↓
必要に応じて切除する
↓
将来の大腸がんリスクを減らす
という意味でも、大腸内視鏡検査は重要です。
ただし、すべてのポリープを必ずその場で切除するわけではなく、大きさや形、場所などによって対応は異なります。
「大腸カメラは痛そう」という方へ
大腸カメラを受けたいと思っていても、
「痛そう」
「恥ずかしい」
「検査が怖い」
「以前つらい思いをした」
という理由で検査を先延ばしにしている方もいらっしゃいます。
当院では、患者様の不安や苦痛を少しでも軽減できるよう、鎮静剤を使用した大腸カメラに対応しています。
鎮静剤を使用することで、うとうとした状態で検査を受けられ、検査中の苦痛や不快感を軽減できる場合があります。
また、検査について不安なことがあれば、事前に医師やスタッフへご相談ください。
「怖いから検査を受けない」から、「できるだけ楽に検査を受けて早期発見につなげる」へ。
それが当院が大切にしている考え方です。
香芝市・広陵町・上牧町・王寺町・大和高田市・葛城市・橿原市で大腸カメラをお考えの方へ
大腸がんは、誰にでも起こり得る病気です。
そして、「大腸がんになったら人工肛門になる」というわけではありません。
早期で発見できれば、内視鏡治療で対応できる大腸がんもあります。
また、手術が必要になった場合でも、がんの場所や進行度などによっては肛門を温存できることがあります。
一方で、進行した直腸がんなどでは、肛門を含めて切除し、永久人工肛門が必要になる場合もあります。
だからこそ重要なのが、**「できるだけ早く見つけること」**です。
「人工肛門になるのが怖いから大腸カメラを受けたくない」と考えるのではなく、
人工肛門が必要になる可能性のある病気を、できるだけ早期に見つけるために大腸カメラを受ける
という考え方も大切です。
よくある質問|大腸がんと人工肛門
Q1.大腸がんになると必ず人工肛門になりますか?
いいえ。大腸がんになったからといって、必ず人工肛門になるわけではありません。がんの場所や進行度、手術方法などによって異なります。早期で内視鏡治療が可能な場合には、人工肛門は必要ありません。
Q2.人工肛門は一生つけるものですか?
一時的な人工肛門と永久的な人工肛門があります。腸管をつないだ部分を保護する目的などで一時的に造り、後から閉鎖できる場合もあります。一方、肛門を切除する必要がある場合などには永久人工肛門となります。
Q3.大腸がんを早期発見するにはどうすればいいですか?
40歳以上の方は、まず年1回の便潜血検査を受けることが大切です。便潜血検査が陽性になった場合は、放置せず精密検査として大腸カメラを受けましょう。
Q4.便潜血検査が陽性でも大腸がんとは限らないですか?
はい。便潜血陽性の原因は大腸がんだけではありません。ただし、大腸がんやポリープなどの病変が隠れている可能性もあるため、「痔のせい」と自己判断せず、精密検査を受けることが重要です。
Q5.大腸カメラは痛くありませんか?
感じ方には個人差があります。当院では鎮静剤を使用した大腸カメラにも対応し、検査に伴う苦痛や不安を軽減できるよう配慮しています。鎮静剤の使用については、患者様の状態を確認したうえで適切に判断します。
まとめ|人工肛門を心配する前に「早期発見」を
大腸がんになったからといって、必ず人工肛門になるわけではありません。
人工肛門が必要になるかどうかは、がんの場所や進行度、手術方法などによって決まります。
特に、肛門に近い直腸がんでは人工肛門が必要になる場合がありますが、早期の大腸がんでは内視鏡治療が可能なケースもあります。
大切なのは、
「大腸がんをできるだけ早く見つけること」
です。
40歳以上の方は年1回の便潜血検査を受け、陽性になった場合は大腸カメラによる精密検査を受けましょう。
また、
血便・便が細くなった・便秘や下痢を繰り返す・腹痛・体重減少・貧血
などの症状がある方は、検診を待たずに医療機関へご相談ください。
「大腸カメラは怖い」「痛そう」という不安がある方も、現在は鎮静剤を使用して苦痛を軽減する方法があります。
検査を怖がって先延ばしにするより、早期発見のために一度相談すること。
それが、大腸がんからご自身の身体を守るための大切な一歩です。
内視鏡クリニックの選び方
胃カメラ・大腸カメラを受けるクリニックを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
✅ 日本消化器内視鏡学会の専門医が在籍しているか
内視鏡検査は、病変を見つける観察力や、適切な診断・治療につなげる経験が重要です。
✅ 鎮静剤の使用など、苦痛を軽減する工夫があるか
「大腸カメラは痛そう」と検査をためらっている方は、鎮静剤を使用した検査について相談できるか確認してみましょう。
✅ 高精細な内視鏡システムを導入しているか
高精細な画像やBLIなどの画像強調観察を活用することで、粘膜の微細な変化を詳しく観察できます。
✅ 通いやすい立地・診療時間か
大腸カメラは検査後の経過観察や定期的な検査が必要になる場合もあります。駅からのアクセス、駐車場、土曜日の診療・検査対応なども確認しましょう。
✅ 院内の衛生管理・プライバシーへの配慮がされているか
検査そのものだけでなく、検査前後を安心して過ごせる環境が整っていることも大切です。
当院の内視鏡検査の特徴
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックでは、初めて胃カメラ・大腸カメラを受ける方や、以前つらい思いをした経験がある方にも安心して検査を受けていただけるよう、以下の体制を整えています。
💤 鎮静剤(麻酔)を使用した検査
うとうとと眠っているような状態で検査を受けられるため、検査中の苦痛や不快感を大きく軽減できる場合があります。
🔬 高精細BLI搭載カメラの導入
粘膜の微細な血管や表面構造まで鮮明に観察し、小さな病変の発見をサポートします。
📅 土曜日も検査可能
平日はお仕事や家事などで忙しい方でも、受診・検査の予定を立てやすい診療体制を整えています。
🔄 胃カメラ・大腸カメラの同日検査に対応
胃の症状と大腸の症状が気になる方など、条件が合えば1日で両方の検査を受けていただくことも可能です。
🚉 駅前でアクセス良好
通いやすい立地で、香芝市だけでなく、広陵町・上牧町・王寺町・大和高田市・葛城市・橿原市などからの受診もご相談いただけます。
胃の精密検査はもちろん、大腸ポリープや大腸がんが心配な方の大腸カメラも、あわせてご相談いただけます。
大腸がんが心配な方は、まずご相談ください
「人工肛門になるのが怖い」
その不安は決して珍しいものではありません。
だからこそ、症状が進行してからではなく、早期発見・早期治療につなげることが大切です。
便潜血検査、大腸カメラを適切に活用し、大腸がんを早期に発見しましょう。
香芝市で内視鏡専門医による鎮静剤を使った楽な胃カメラ・大腸カメラ
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニック
※本記事は一般の方向けの情報提供を目的としたもので、個々の患者様の治療方針を示すものではありません。人工肛門が必要となるかどうかは、がんの部位・進行度・手術内容などによって異なります。具体的な治療については、担当医にご相談ください





