日帰り肛門手術|やまおか胃腸・内視鏡内科クリニック|奈良県香芝市五位堂駅前

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日帰り肛門手術

日帰り肛門手術|やまおか胃腸・内視鏡内科クリニック|奈良県香芝市五位堂駅前

痔核(イボ痔)

日帰り肛門手術

痔核(じかく)とは

私たちの体は、通常便が漏れないように肛門は閉じていますが、それには括約筋(かつやくきん)とともに、その内側でクッションとしての役割を担う静脈叢(じょうみゃくそう:毛細血管のかたまり)が関わっています。痔核とは、排便時の強いいきみなど、日常生活の中で長期間肛門に負担をかけるうちに肛門付近の血行が悪くなり、静脈叢がうっ血してこぶ状に拡張したものをいいます。形状がイボに似ているため「イボ痔」とも呼ばれています。痔核はいくつかある痔のタイプの中でもっとも多く、一般に「痔」というとこの痔核を指します。直腸と肛門の境目(歯状線:はじょうせん)よりも上側の直腸(粘膜)部分に発生するものを内痔核といい、下側の肛門(皮膚)部分に発生するものを外痔核といいます。内痔核は、もともと肛門内にありますが病状が悪化して大きくなり、それを支える組織が弱くなると、千切れて出血したり、肛門外に脱出したりするようになります。

検査・診断

  • 肛門の症状(出血、脱出、痛みなど)や排便習慣、生活習慣についてお話を伺います。
  • 目で肛門を観察したり(視診)、直接触れて状態を調べたり(触診)、デジタル肛門鏡を用いて肛門の内部を観察します。当院ではデジタル肛門鏡を導入しているため、ご希望されれば、一緒に肛門内部をモニターで観察していただけます。

内痔核の治療

内痔核の治療には、大きく分けて保存療法と手術療法がありますが、その中間には外科的治療として硬化療法があります。それぞれの治療方法を丁寧にご説明し、個々の症状や患者さんの事情に応じた最善の治療方法を選択します。

保存的治療

保存的治療では、痔を悪化させないようにする生活療法と、症状を緩和する薬物療法を併せて行います。生活療法では、生活習慣や食生活、排便習慣などを改善していきます。痛み・腫れ・出血などの症状には、経口薬・注入軟膏・坐薬を病態に応じて用いるほか、便を柔らかくする薬剤も処方することがあります。

ALTA硬化療法(ジオン注射)

内痔核を切らずに患部に直接注射をして治療する方法です。注射液には硫酸アルミニウムカリウム及びタンニン酸(ALTA:アルタ)という有効成分が含まれており、この作用によって痔核の出血、脱出(脱肛)といった症状を改善します。

具体的には、まず、速効性の血流遮断作用により止血と痔核の縮小効果が得られます。さらに痔核に炎症反応を生じさせ線維化を起こすことによって痔核を硬化・退縮し、粘膜に固着させて脱出を消失します。このALTA硬化療法は、手術以外に治療法がなかった脱出する痔核に対して適応となる画期的な治療法です。

注射は痛みを生じない内痔核のみに行うため、術後の痛みや出血は極めて少なく、日帰り手術で通常生活への復帰が期待できます(外痔核に対しては痛みが強くなるため使えません)。

患者さんにとって負担の少ないALTA療法ですが、正しく注射をしないと合併症として直腸狭窄や直腸潰瘍を来す可能性があります。そこで、合併症を予防し、かつ十分な効果を得るためには内痔核周囲を4カ所にわけ、適量ずつ注射する4段階注射法という特殊な注射手技が必要となります。この注射手技は日本大腸肛門病学会が指定する講習会を修了した医師のみが実施できます。

痔核結紮切除術

内痔核と外痔核のどちらにも有効で、根治性と汎用性が高く、症状の軽重を問わず適応となる一般的な痔核の術式です。術後の痛みや出血が多いといったデメリットもあります。

まず痔核を外側から切除していき痔核を露出させます。次に痔核に血液を送っている血管(痔動脈)の根元を縛り、痔核のみを部分的に切除します。切除した後の傷口は、術後に溶ける吸収糸で縫い合わせて閉鎖します。

ALTA硬化療法(ジオン注射)+結紮切除術

注射と切除手術を併用したハイブリッドな治療法です。注射による効果が期待できない外痔核を結紮切除し、内痔核はジオン注射で治療します。結紮切除による根治性、ジオン注射による脱出や出血の改善を期待できます。

痔ろう(あな痔)

痔瘻(じろう)とは

痔瘻とは、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐ瘻管(ろうかん)というトンネルができてしまう痔のことです。「あな痔」とも呼ばれ、男性に多くみられます。初期の段階は肛門周囲に膿(うみ)がたまり(肛門周囲膿瘍:こうもんしゅういのうよう)、その膿が自然に出たり、切開によって排膿(はいのう)されたりすると、のちに膿の通り道が残ることがあります。この膿のトンネルやしこりになった組織が痔瘻です。化膿の原因となる細菌が侵入する穴を1次口(原発口)、膿がたまる部分を原発巣、膿が出ていく外側の皮膚開口部を2次口と呼びます。

痔瘻は、痔核(イボ痔)や裂肛(切れ痔)と異なり、薬で治すことはできず、治療には手術が必要となります。手術を行わずに長年放置してしまうと肛門変形の原因になったり、まれにがん化(痔瘻がん)したりすることもあります。痔瘻がんは一般の肛門がんに比べて、悪性度が高いとされていますので、痔瘻と診断されたら速やかに適切な治療を受けることが重要です。

検査・診断

  • 視診、触診、肛門指診
    痔ろうの診断では、まず視診(目で見て)、触診(触れて)、肛門指診(肛門に指を入れて診察する)を行います。なかでも指診は得られる情報が多く大切な検査です。

  • デジタル肛門鏡検査
    肛門に短い筒を入れて、肛門内部の観察を行います。当院ではデジタル肛門鏡を導入しているため、ご希望されれば、一緒に肛門内部をモニターで観察していただけます。

  • 肛門エコー(超音波)検査
    肛門から超音波のプローブを挿入して検査します。肛門周囲膿瘍の診断や痔ろうの部位や広がりを評価するのに非常に有用な検査です。肛門エコー検査をするには専用のプローベが必要なため、この検査ができるクリニックはかなり限られています。当院では専用のプローベを用いて検査できますので、安心してご来院ください。

肛門周囲膿瘍と痔瘻の治療

肛門周囲膿瘍で切開排膿を行い、その後、繰り返さずに治癒が見込めるようであれば、それ以上の治療(手術治療)は必要ありません。しかし、肛門周囲膿瘍を繰り返す場合や膿の排出後、はっきりとした瘻管を形成している痔瘻の場合は、根治手術が必要となります。そのまま放置していると、痔瘻が枝分かれして複雑化したり、肛門変形の原因になったり、まれにがん化(痔瘻がん)することもありますので、注意が必要です。

肛門周囲膿瘍に対する切開排膿術

肛門周囲腫瘍の時期は膿がたまるにつれて痛みがひどくなり、発熱も伴いますが、膿が出てしまえば症状は改善します。そのため肛門周囲膿瘍の治療では、まず皮膚を切開して膿を出す「切開排膿術」が行われます。肛門周囲の皮膚、あるいは直腸肛門内の粘膜に切開を加え、たまった膿を外に排出し、十分に膿の出口を作った後に、抗生物質や鎮痛剤を投与します。

痔瘻の根治手術

膿の排出後、瘻管が残り痔瘻になった場合は、根治手術を行います。瘻管は、肛門の機能を支える括約筋の間を走行したり、括約筋を貫通したりしていることが多く、手術方法は、肛門の機能に問題が起こらないよう括約筋に十分注意して、痔瘻の方向や走行、深さなどに合わせて慎重に選択します。代表的な手術方法には、「瘻管切開開放術」や「括約筋温存手術」がありますが、「シートン法」による治療や処置も、その安全性と簡便性から広く行われています。
痔瘻(とくに複雑痔瘻)の手術は専門性が高く、高度な技術と経験が必要になりますので、直腸肛門部の外科治療に熟練した医師を受診することが大切です。

裂肛(切れ痔)

裂肛(れっこう)とは

便秘や下痢によって肛門上皮(肛門出口付近の皮膚)が切れたり裂けたりする病態のことで、一般的に「切れ痔」と呼ばれています。排便時に出血や痛みを伴います。発症後数日で回復する急性裂肛と、裂肛を繰り返すことで傷が深くなり、やがて潰瘍になってしまう慢性裂肛があります。慢性裂肛では痛みが持続し、傷の内側に肛門ポリープや外側にイボを形成することがあります。さらに進行すると肛門が硬くなり出口が狭くなってしまう肛門狭窄を起こすこともあります。女性に多く、とくに20~40代に好発します。

検査・診断

  • 切れ痔は、お話を伺ったり(問診)、視診、触診などを基本として診断します。

裂肛の治療

急性裂肛の治療は、原因となる便秘や下痢を改善して傷を治す保存的治療が基本となります。便通を整えるとともに、軟膏や座薬を用いた薬物療法によって多くの場合、治癒します。慢性裂肛になると、保存的治療で治る可能性が低くなり、薬物療法で症状が改善しない場合は、手術療法を考慮します。手術内容は症状の程度によって異なりますが、軽度であれば用指肛門拡張術あるいは側方内肛門括約筋切開術が行われ、進行して重度の肛門狭窄を起こしている場合は、肛門の外側の皮膚の一部を移動して肛門を広げる肛門皮膚弁移動術などが適応されます。

おしりの日帰り手術の費用(税込)

1割負担 3割負担
痔核根治術 約8,000円 約25,000円
ジオン注射 約5,000円 約15,000円
痔ろう根治術(単純) 約5,000円 約15,000円
痔ろう根治術(複雑) 約8,000円 約25,000円
裂肛根治術 約4,000円 約12,000円
肛門ポリープ切除術 約2,000円 約5,000円
血栓摘出術 約2,000円 約5,000円
肛門周囲膿瘍 約3,000円 約8,000円

(税込)

使用する薬剤や点滴の有無によって、費用が前後することがあります。
手術前の検査代は含まれておりません。
切除検体は、病理組織検査を行い、炎症の程度やがん細胞が含まれていないかなどを調べることがあります(3割負担で別途約3,000円の費用がかかります)。

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