
胃がんリスク検査「ABC分類」とは?ピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮を血液検査で調べ、胃がんリスクを評価する方法です。検査結果の見方や胃カメラの必要性を香芝市の内視鏡専門医が解説します。
胃がんリスク検査「ABC分類」とは?
健康診断や人間ドックなどで、
「ABC分類を受けたけれど、結果の意味がよく分からない」
「ピロリ菌が陰性なら胃がんの心配はない?」
「B判定やC判定だったら胃カメラを受けたほうがいい?」
と疑問に感じたことはありませんか?
胃がんリスク検査として知られているABC分類(ABC検診)は、血液検査によってヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無と、胃粘膜の萎縮の程度を推測し、胃がんのリスクを層別化する検査です。
ただし、ABC分類は胃がんそのものを見つける検査ではありません。
「A判定だったから胃がんは絶対にない」「B・C判定だから胃がんがある」という意味でもありません。
ABC分類の結果を正しく理解し、必要に応じて胃カメラ(胃内視鏡検査)につなげることが重要です。
この記事では、香芝市の内視鏡専門医が、ABC分類の仕組み、A~D群の考え方、ピロリ菌との関係、胃カメラを受けるべきケースについて分かりやすく解説します。
ABC分類は何を調べる検査?
ABC分類では、主に血液検査で以下の2つを調べます。
① ピロリ菌抗体
血液中のヘリコバクター・ピロリ菌に対する抗体を調べます。
ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、慢性的な胃炎を引き起こすことがあります。
長期間の感染によって胃粘膜の萎縮が進行すると、胃がんのリスクが高くなることが知られています。
② ペプシノゲン
血液中のペプシノゲンを測定することで、胃粘膜の萎縮の程度を推測します。
一般的には、胃粘膜の萎縮が進むとペプシノゲン値に変化が生じます。
つまりABC分類では、
ピロリ菌感染の可能性
+
胃粘膜の萎縮の程度
という2つの情報から、胃がんリスクを評価します。
ABC分類のイメージ
| 分類 | ピロリ菌 | 胃粘膜の萎縮 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 🟢 A群 | 陰性 | なし | 胃がんリスクは比較的低い |
| 🟡 B群 | 陽性 | なし~軽度 | ピロリ菌感染が疑われる |
| 🟠 C群 | 陽性 | あり | 胃粘膜の萎縮が進行している可能性 |
| 🔴 D群 | 陽性 | 強い | 高度な萎縮が疑われる |
※実際の判定基準や分類方法は、検査施設・使用する検査法などによって異なる場合があります。
また、現在では**「A群=胃がんリスクがない」と単純に判断することはできない**点が重要です。
A群なら胃カメラは必要ない?
ここはABC分類を理解するうえで、非常に重要なポイントです。
ABC分類でA群と判定されても、
「一生、胃カメラを受けなくていい」
という意味ではありません。
ピロリ菌感染があっても抗体が低値になるケースや、過去のピロリ菌感染によって胃粘膜の萎縮が残っているケースなどでは、単純に「A群だから胃がんリスクがゼロ」と判断することはできません。
特に、
- 胃の痛みが続く
- 胃もたれがある
- 食欲が低下した
- 吐き気が続く
- 貧血を指摘された
- 黒い便が出る
- 家族に胃がんの方がいる
- 過去にピロリ菌感染があった
- ピロリ菌除菌治療を受けた
などの場合には、ABC分類の結果だけで判断せず、医師に相談することが大切です。
ピロリ菌が胃がんと関係する理由
ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、慢性的な炎症を引き起こします。
感染が長期間続くと、
ピロリ菌感染
↓
慢性胃炎
↓
胃粘膜の萎縮
↓
腸上皮化生などの変化
↓
胃がんのリスク上昇
という流れにつながることがあります。
すべてのピロリ菌感染者が胃がんになるわけではありませんが、ピロリ菌感染は胃がんの重要なリスク因子の一つです。
そのため、ピロリ菌感染の有無を確認することは、胃の健康を考えるうえで重要です。
ピロリ菌検査「陰性」でも注意が必要なこと
「ピロリ菌検査が陰性だったので安心しました」
という方もいらっしゃいます。
しかし、血液のピロリ菌抗体検査では、抗体価が低い場合に感染を正確に反映しないケースがあります。
特に胃粘膜の萎縮が高度に進行すると、ピロリ菌が減少し、抗体価が低くなることがあります。
そのため、
「ピロリ菌陰性=胃がんリスクがゼロ」
とは限りません。
過去のピロリ菌感染、胃粘膜の萎縮、これまでの検査結果などを総合的に判断することが重要です。
ピロリ菌「陰性高値」とは?
ピロリ菌抗体検査では、検査結果によって「陰性」「陽性」などに分類されます。
検査法によって基準は異なりますが、当院で使用している基準では、
血清ピロリ菌抗体価
- 3未満:陰性
- 3~9.9:陰性高値
- 10以上:陽性
としています。
「陰性高値」は、基準上は陰性であっても、抗体価が比較的高い範囲にある状態です。
このような場合には、検査結果だけを見て「ピロリ菌とは無関係」と判断するのではなく、胃カメラの所見や過去の感染歴なども含めて総合的に判断することが大切です。
ピロリ菌を除菌したら胃がんの心配はなくなる?
ピロリ菌が陽性だった場合、除菌治療によって胃がんリスクを下げることが期待できます。
しかし、
「除菌したから胃がんにならない」
というわけではありません。
ピロリ菌によって一度胃粘膜の萎縮が進行すると、除菌後もその変化が残ることがあります。
そのため、ピロリ菌除菌後も、胃粘膜の状態などに応じて定期的な胃カメラによる経過観察が重要になる場合があります。
特に、
ピロリ菌陽性だったことがある方
ピロリ菌除菌歴がある方
は、自分の胃がんリスクを知っておくことが大切です。
ABC分類と胃カメラの違い
ABC分類と胃カメラは、目的が異なります。
| 検査 | 分かること | 特徴 |
|---|---|---|
| ABC分類 | 胃がんリスク | 血液検査でリスクを評価 |
| 胃カメラ | 胃粘膜・病変の状態 | 胃を直接観察できる |
| 胃カメラ+生検 | 病変の組織 | 必要に応じて組織検査 |
ABC分類は、胃がんになりやすさを評価する検査です。
一方、胃カメラは食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察し、炎症、潰瘍、ポリープ、胃がんなどの病変を確認できます。
つまり、
ABC分類=リスクを調べる
胃カメラ=胃そのものを調べる
と考えると分かりやすいでしょう。
ABC分類でB・C・D群だったら?
B・C・D群など、胃がんリスクが高いと考えられる結果が出た場合には、胃カメラによる精密検査を検討することが重要です。
特に、
- ピロリ菌陽性
- 胃粘膜萎縮が疑われる
- 過去にピロリ菌除菌をした
- 家族に胃がんの方がいる
- 胃の症状がある
という方では、一度胃の状態を直接確認しておくことをおすすめします。
胃カメラでは、胃粘膜の萎縮や炎症の状態だけでなく、胃潰瘍や胃ポリープ、早期胃がんなどを確認できます。
胃がんは「症状がない」ことがあります
胃がんの怖いところの一つは、早期には症状がほとんどないことがあるということです。
胃がんが進行してくると、
- 胃痛
- 胃もたれ
- 食欲低下
- 吐き気
- 食事がつかえる
- 体重減少
- 貧血
- 黒い便
などの症状が現れることがあります。
しかし、症状が出る前の段階で発見できれば、治療の選択肢が広がります。
そのため、症状がない方でも年齢やリスクに応じて胃がん検診や胃カメラを受けることが大切です。
こんな方は胃カメラをご相談ください
特に以下に当てはまる方は、一度医師に相談することをおすすめします。
🔴 ABC分類でB・C・D群と判定された
🔴 ピロリ菌陽性または除菌歴がある
🔴 胃の痛み・胃もたれが続いている
🔴 食欲が落ちてきた
🔴 貧血を指摘された
🔴 黒い便が出る
🔴 家族に胃がんの方がいる
🔴 健診で胃の異常を指摘された
🔴 以前の胃カメラから期間が空いている
ABC分類の結果だけで「大丈夫」と判断せず、必要に応じて胃カメラを受けることが、胃の病気の早期発見につながります。
よくある質問
Q1.ABC分類は胃がんを見つける検査ですか?
いいえ。
ABC分類は、ピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮の程度を参考にして、胃がんになるリスクを評価する検査です。
胃がんそのものを診断する検査ではありません。
Q2.A群なら胃カメラは必要ありませんか?
A群だからといって、胃カメラが完全に不要とは限りません。
症状、年齢、家族歴、過去のピロリ菌感染、胃粘膜の状態などによって、胃カメラが必要になる場合があります。
Q3.ピロリ菌を除菌したら胃がんの心配はなくなりますか?
いいえ。
除菌によって胃がんリスクを下げることが期待できますが、すでに胃粘膜の萎縮などが進んでいる場合、リスクが完全になくなるわけではありません。
除菌後も医師と相談しながら定期的な胃のチェックを受けることが大切です。
Q4.ABC分類でB群・C群だったらどうすればいいですか?
ピロリ菌感染や胃粘膜の萎縮が疑われるため、医師に相談しましょう。
必要に応じてピロリ菌の精密検査や除菌治療、胃カメラによる胃粘膜の確認などを行います。
Q5.ABC分類と胃カメラはどちらを受ければいいですか?
目的が異なります。
ABC分類は胃がんリスクを評価する血液検査、胃カメラは胃の状態を直接観察する検査です。
ABC分類の結果だけでなく、症状や年齢、ピロリ菌感染歴などを考慮して、必要な検査を選択することが大切です。
香芝市で胃カメラ・大腸カメラをお考えの方へ
ABC分類は、胃がんリスクを知るための便利な血液検査ですが、胃がんを直接診断する検査ではありません。
特にピロリ菌陽性や除菌歴がある方、胃粘膜の萎縮が疑われる方、胃の症状がある方は、ABC分類の結果だけで安心せず、胃カメラによる直接的な観察を検討しましょう。
また、胃だけでなく、
便潜血陽性、血便、便秘、下痢、便が細くなった、残便感
などの大腸症状がある場合には、大腸カメラによる検査も重要です。
香芝市をはじめ、広陵町・上牧町・王寺町・大和高田市・葛城市・橿原市周辺で、胃カメラ・大腸カメラをご検討の方はお気軽にご相談ください。
内視鏡クリニックの選び方
胃カメラ・大腸カメラを受けるクリニックを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
日本消化器内視鏡学会の専門医が在籍しているか
内視鏡検査は、病変を見つけるだけでなく、その病変を適切に評価する経験も重要です。
鎮静剤の使用など、苦痛を軽減する工夫があるか
「胃カメラが苦手」「大腸カメラが怖い」という方は、鎮静剤の使用について相談できる医療機関を選ぶとよいでしょう。
高精細な内視鏡システムを導入しているか
高精細な画像や画像強調機能を備えた内視鏡システムは、粘膜の細かな変化を観察するうえで役立ちます。
通いやすい立地・診療時間か(土曜診療の有無など)
検査は一度受けて終わりではなく、必要に応じて定期的なフォローが重要になることがあります。
院内の衛生管理・プライバシーへの配慮がされているか
安心して検査を受けるためには、検査設備だけでなく、院内環境やプライバシーへの配慮も大切です。
当院は日本消化器内視鏡学会専門医・指導医であり、大腸肛門病専門医でもある院長が、一人ひとりの症状や検査結果に合わせた丁寧な診察・検査を行っています。
胃の痛みが気になる方や、胃もたれ、食欲低下、黒い便などの症状がある方はもちろん、便秘・下痢、血便などの症状がある方も、我慢せずに早めにご相談ください。
当院の内視鏡検査の特徴
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックでは、初めて胃カメラ・大腸カメラを受ける方や、以前つらい思いをした経験がある方にも安心して検査を受けていただけるよう、以下の体制を整えています。
💤 鎮静剤(麻酔)を使用した検査
うとうとと眠っている間に検査が終わるため、苦痛や不快感を大きく軽減できます。
「胃カメラは苦しい」
「大腸カメラは痛そう」
と検査をためらっている方にも、できるだけ楽に検査を受けていただけるよう配慮しています。
🔬 高精細BLI搭載カメラの導入
高精細BLI搭載カメラを導入しています。
粘膜の微細な血管や表面構造まで鮮明に観察でき、小さな病変の早期発見につながります。
📅 土曜日も検査可能
平日お忙しい方でも受診しやすいよう、土曜日も内視鏡検査・診療に対応しています。
🔄 胃カメラ・大腸カメラの同日検査に対応
胃の症状と大腸の症状を一度に調べたい方には、胃カメラ・大腸カメラの同日検査にも対応しています。
1日で両方の検査を済ませたい方のご負担を軽減します。
🚉 駅前でアクセス良好
通いやすい立地で、香芝市だけでなく、広陵町・上牧町・王寺町・大和高田市・葛城市・橿原市などからもご相談いただいています。
胃の精密検査はもちろん、大腸ポリープや大腸がんが心配な方の大腸カメラも、あわせてご相談いただけます。
まとめ|ABC分類を「胃の健康を考えるきっかけ」に
胃がんリスク検査のABC分類は、
「ピロリ菌感染の可能性」
と
「胃粘膜の萎縮の程度」
を調べることで、胃がんリスクを評価する検査です。
ただし、ABC分類は胃がんそのものを発見する検査ではありません。
特に、
ピロリ菌陽性・除菌歴がある
ABC分類でB・C・D群だった
胃の症状がある
貧血や黒い便がある
といった場合には、胃カメラによる精密検査を検討することが大切です。
「胃カメラは苦しそう」と感じている方も、当院では鎮静剤を使用した、できるだけ苦痛の少ない胃カメラに対応しています。
胃のことが少しでも気になる方は、結果をそのままにせず、一度ご相談ください。
香芝市で胃カメラ・大腸カメラをご検討の方へ。
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックでは、内視鏡専門医による丁寧な検査を行っています。鎮静剤を使用した胃カメラ・大腸カメラ、土曜日の内視鏡検査にも対応しています。
「検査が怖い」「以前つらかった」という方にも、安心して検査を受けていただける環境を整えています。ぜひお気軽にご相談ください。






