
大腸カメラは何歳から受けた方が良い?~香芝市の専門医が解説~
「大腸カメラは何歳から受けたらいいですか?」
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行っていると、このような質問をよくいただきます。
胃カメラに比べて「まだ自分には必要ないのでは?」と考えている方も多いかもしれません。しかし、大腸がんは決して高齢者だけの病気ではありません。40歳を過ぎる頃から大腸がんや、その前段階となる大腸ポリープが見つかる方が増えてきます。
日本では、40歳以上を対象として、毎年の便潜血検査による大腸がん検診が推奨されています。2024年度版の「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」でも、便潜血検査は40歳から開始することが推奨されています。
では、「40歳になったら全員が大腸カメラを受けるべき」なのでしょうか?
実は、少し違います。
一般的に症状のない方が受ける自治体の大腸がん検診では、まず便潜血検査を行い、陽性になった場合に大腸カメラなどの精密検査を受ける流れが基本です。一方で、便潜血検査が陰性でも、症状や家族歴、過去のポリープなどによって大腸カメラを検討した方がよいケースがあります。
今回は、「大腸カメラは何歳から受けるべきなのか」について、香芝市の消化器・内視鏡専門医の立場から詳しく解説します。
大腸カメラは「40歳」が一つの大きな目安
大腸がんは、年齢とともに増加する病気です。
そのため、日本の大腸がん検診は40歳以上を対象として行われています。40歳以上の方は、まず毎年の便潜血検査を受けることが大切です。
ただし、ここで注意していただきたいのが、
「40歳から便潜血検査を受ける」ことと、「40歳から全員が大腸カメラを受ける」ことは同じではない
ということです。
便潜血検査は、便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。身体への負担が少なく、多くの方が受けやすい検査であるため、まず大腸がんの可能性がある方を拾い上げる検査として利用されています。
一方、大腸カメラでは、実際に大腸の中を直接観察できます。
ポリープや大腸がんなどの病変を確認できるだけでなく、必要に応じて組織を採取したり、治療可能なポリープをその場で切除したりすることもできます。国立がん研究センターも、大腸カメラについて「大腸全体を直接観察・処置できる」検査としています。
40歳を過ぎたら「一度は大腸カメラ」を考えてみましょう
「便潜血検査を毎年受けて、陰性なら大丈夫ですよね?」
このように考える方も少なくありません。
もちろん、便潜血検査は非常に重要な検査です。毎年受けることで大腸がんによる死亡を減らす効果が期待されています。
しかし、便潜血検査は大腸の中を直接見る検査ではありません。
大腸ポリープや大腸がんがあっても、必ずしも毎回出血しているとは限らないため、便潜血検査が陰性だからといって「大腸に病気が絶対にない」とは言えません。
特に、
・40歳を過ぎた
・これまで大腸カメラを受けたことがない
・便秘や下痢など便通の変化がある
・血便や便に血が付くことがある
・腹痛や腹部の張りが続いている
・以前、大腸ポリープを指摘されたことがある
・家族に大腸がんになった方がいる
といった場合には、一度大腸カメラについて医師に相談することをおすすめします。
「症状がないから大丈夫」と思っている方こそ、40歳を一つの区切りとして、自分の大腸の状態を確認することには大きな意味があります。
なぜ40歳から大腸を調べることが大切なの?
大腸がんの多くは、いきなり大腸がんとして発生するわけではありません。
大腸の粘膜に「腺腫」と呼ばれるポリープなどができ、それが時間をかけて大きくなり、一部ががん化するという経過をたどる場合があります。
もちろん、すべてのポリープががんになるわけではありません。しかし、大腸カメラでポリープを発見し、必要なものを適切に切除することで、将来の大腸がんを予防できる可能性があります。
つまり大腸カメラには、
「大腸がんを早期に見つける」だけでなく、「大腸がんになる前の病変を見つけて治療する」
という重要な役割があります。
大腸がんは、早期に発見できれば内視鏡治療などで根治を目指せるケースもあります。だからこそ、症状が出てから検査するのではなく、症状のない段階から検査を受けることが大切なのです。
「便潜血検査が陽性」なら年齢に関係なく大腸カメラを
特に覚えておいていただきたいのが、
便潜血検査が陽性になった場合は、「もう一度便潜血検査をして様子を見る」のではなく、大腸カメラによる精密検査を受けることが重要
ということです。
便潜血陽性=大腸がん、というわけではありません。
痔や良性のポリープなど、さまざまな原因で陽性になることがあります。しかし、便潜血検査だけでは「なぜ血液が混じっていたのか」を判断することはできません。
また、「痔があるから便潜血陽性になっただけ」と自己判断してしまうのも危険です。
国立がん研究センターでは、便潜血陽性者に対して再度便潜血検査を行うのではなく、大腸内視鏡検査によって大腸全体を確認することを推奨しています。
健康診断や人間ドックで「便潜血陽性」「要精密検査」と言われたら、症状がなくてもそのままにせず、早めに消化器内科を受診しましょう。
40歳未満でも大腸カメラを受けた方がよい場合があります
「40歳になっていないから、大腸カメラは必要ない」とは限りません。
年齢だけで検査の必要性を判断することはできません。
例えば、
● 血便がある
トイレットペーパーに血が付く、便に血が混じる、赤い血が出るなどの症状がある場合、痔だけが原因とは限りません。
● 便通が変わった
今まで便秘ではなかったのに最近便秘になった、下痢と便秘を繰り返す、便が細くなったなど、以前と明らかに排便状況が変わった場合には注意が必要です。
● 腹痛や腹部の張りが続く
繰り返す腹痛や原因のはっきりしない腹部膨満感などがある場合にも、消化器内科で相談することをおすすめします。
● 家族に大腸がんの方がいる
大腸がんの家族歴がある場合は、一般的な検診対象者とは異なる考え方が必要になることがあります。
特に若い年齢で大腸がんになったご家族がいる場合などは、検査開始時期について早めに医師へ相談しましょう。
このような場合には、「まだ40歳になっていないから」と検査を先延ばしにするのではなく、症状や家族歴などを含めて医師に相談することが大切です。
50歳を過ぎたら、さらに大腸カメラを意識しましょう
40歳を過ぎると大腸がん検診を受けることが重要になりますが、50歳、60歳と年齢が上がるにつれて、大腸の病気を意識することはさらに重要になります。
「今まで便潜血検査が陰性だったから大丈夫」
「何も症状がないから大丈夫」
と安心しきってしまうのではなく、これまで大腸カメラを受けたことがない方は、一度検査について相談してみるのもよいでしょう。
大腸カメラを受けた結果、問題がなければ、その後の検査間隔についても医師と相談できます。
一方、ポリープが見つかった場合には、ポリープの種類や大きさ、数などに応じて、次回検査の時期を決めていきます。
つまり、大腸カメラは「一生に一度受ければ終わり」という検査ではなく、その人の大腸の状態に合わせて、その後の検査計画を考えることが大切なのです。
大腸カメラは「つらい検査」というイメージがありませんか?
大腸カメラを受けることをためらう理由として、
「痛そう」
「恥ずかしい」
「下剤をたくさん飲むのが大変そう」
「以前つらかった」
「検査中の痛みが怖い」
という声をよく聞きます。
確かに、大腸カメラでは検査前に腸をきれいにするための下剤による前処置が必要です。また、大腸の形や癒着、腸の動きなどによっては、検査中にお腹の張りや痛みを感じることがあります。
しかし現在では、内視鏡機器や挿入技術が進歩しており、患者さんの負担をできるだけ軽減するためのさまざまな工夫が行われています。
当院では、患者さんの不安や苦痛を少しでも減らせるよう、必要に応じて鎮静剤を使用した大腸カメラにも対応しています。
「大腸カメラを受けたいけれど怖い」
という方も、検査前に不安なことを遠慮なくご相談ください。
大腸カメラを受けるタイミングを迷ったら
「何歳になったら必ず大腸カメラ」という一律の答えがあるわけではありません。
一般的には、
40歳以上 → 毎年の便潜血検査を受ける
ことが大腸がん検診の基本です。
そして、
便潜血陽性、血便、便通異常、腹痛などの症状がある場合 → 年齢にかかわらず大腸カメラを検討する
ことが重要です。
さらに、
40歳を過ぎて一度も大腸カメラを受けたことがない方、家族歴がある方、過去にポリープを指摘された方
などは、一度専門医に相談してみることをおすすめします。
大腸がんは、早期の段階ではほとんど症状がないことがあります。
だからこそ、「症状が出たら検査」ではなく、「症状がないうちに検査する」という考え方が大切です。
大腸カメラは、将来の健康を守るための検査です
大腸カメラは、「大腸がんを見つけるためだけの検査」ではありません。
大腸ポリープなど、大腸がんになる前の病変を発見し、必要に応じて治療することで、将来の大腸がんを予防することにもつながります。
40歳を過ぎたら、まずは毎年の便潜血検査を習慣にしましょう。
そして、便潜血検査が陽性になった場合は、「痔だろう」「去年は大丈夫だったから」と自己判断せず、必ず精密検査を受けることが大切です。
また、血便や便通異常、腹痛など気になる症状がある方は、便潜血検査の結果を待つのではなく、消化器内科へご相談ください。
「大腸カメラはまだ早いかな?」
「40歳になったけれど、一度も検査したことがない」
「便潜血検査が陽性だった」
「家族に大腸がんになった人がいる」
そんな方は、一度専門医に相談してみてください。
大腸がんは、早く見つけるほど治療の選択肢が広がります。
そして、ポリープの段階で発見・治療できれば、大腸がんそのものを予防できる可能性があります。
40歳を「大腸の健康を考えるスタートライン」として、ぜひ大腸がん検診、そして必要に応じた大腸カメラを受けることをおすすめします。
香芝市で大腸カメラを検討されている方、便潜血検査で陽性を指摘された方、血便や便通異常など気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
当院では、内視鏡専門医による大腸カメラ検査を行っており、患者さんの不安や苦痛をできるだけ軽減できるよう、鎮静剤を使用した検査にも対応しています。
「検査が怖い」「以前の大腸カメラがつらかった」という方にも、安心して検査を受けていただけるよう、一人ひとりに合わせた検査を心がけています。
大腸の健康を守るために、まずは一度ご相談ください。
内視鏡クリニックの選び方
胃カメラ・大腸カメラを受けるクリニックを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
日本消化器内視鏡学会の専門医が在籍しているか
鎮静剤の使用など、苦痛を軽減する工夫があるか
高精細な内視鏡システムを導入しているか
通いやすい立地・診療時間か(土曜診療の有無など)
院内の衛生管理・プライバシーへの配慮がされているか
当院は日本消化器内視鏡学会専門医・指導医である院長が、一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察・検査を行っています。胃の痛みが気になる方やや便秘・下痢、血便などの症状のある方は、我慢せずに早めに胃カメラ・大腸カメラ検査を受けましょう。
香芝市で内視鏡専門医による鎮静剤を使った楽な胃カメラ・大腸カメラ
大腸肛門病専門医による大腸・肛門診察
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニック





