
ピロリ菌除菌療法について香芝市の専門医が解説。感染の原因、検査方法、除菌薬の飲み方、副作用、除菌判定、除菌後の胃カメラまで詳しく紹介します。
ピロリ菌除菌療法とは?
「健康診断でピロリ菌がいると言われた」
「胃カメラで慢性胃炎があると言われた」
「ピロリ菌は除菌したほうがいいの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
ピロリ菌除菌療法とは、胃の中に感染している「ヘリコバクター・ピロリ菌」を薬によって除去する治療です。
ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍などに関係することが知られています。また、胃がんとの関連も非常に重要です。
日本ヘリコバクター学会の2024年改訂ガイドラインでは、H. pylori感染胃炎と診断された方に除菌療法を行うことが、日本における基本的な方針として示されています。
ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を抑えたり、胃がんのリスクを低下させたりすることが期待できます。
ただし、「除菌したから胃がんの心配はもうない」というわけではありません。
ピロリ菌感染によって胃粘膜に萎縮などの変化が生じている場合、除菌後も胃がんが発生する可能性があります。そのため、除菌後の胃カメラによる経過観察も非常に重要です。
この記事では、ピロリ菌の検査から除菌治療、薬の飲み方、副作用、除菌判定、除菌後の胃カメラまで、一般の患者さんにも分かりやすく解説します。
ピロリ菌とはどんな菌?
ピロリ菌は、正式には**「ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)」**という細菌です。
胃の中は強い酸性環境ですが、ピロリ菌は胃の中で生きることができます。
ピロリ菌は胃の粘膜に感染すると、長期間にわたって胃炎を引き起こすことがあります。
日本ヘリコバクター学会では、ピロリ菌が慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因となることが分かっていると説明しています。
ピロリ菌と胃の病気の関係
ピロリ菌感染
↓
慢性的な胃炎
↓
胃粘膜の萎縮など
↓
胃潰瘍・胃がんなどのリスク上昇
という関係が知られています。
そのため、ピロリ菌感染を確認し、必要な場合には除菌治療を行うことが、胃の健康を守るうえで重要になります。
ピロリ菌はどうやって感染する?
ピロリ菌は主に口から感染すると考えられています。
特に感染しやすいのは乳幼児期とされ、衛生環境の改善に伴って若い世代では感染率が低下しています。一方、現在でも中高年では感染している方が少なくありません。
「自分は胃が痛くないからピロリ菌はいない」
とは限りません。
ピロリ菌に感染していても、はっきりした自覚症状がない方は珍しくありません。
そのため、過去にピロリ菌を指摘されたことがある方や、胃炎を指摘された方は、一度検査について相談することをおすすめします。
ピロリ菌がいると、なぜ除菌したほうがいいの?
ピロリ菌感染が重要なのは、単に「胃炎になるから」だけではありません。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ピロリ菌は胃潰瘍・十二指腸潰瘍の重要な原因の一つです。
ピロリ菌が原因となっている潰瘍では、除菌によって再発を大きく抑えられることが知られています。
胃がん
ピロリ菌感染は胃がんの大きなリスク因子です。
除菌によって胃がんのリスクを低下させることが期待できますが、除菌後も胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。
日本ヘリコバクター学会も、除菌成功後に胃がんが発見されることがあるため、定期的な胃内視鏡検査を勧めています。
ピロリ菌の検査にはどんな方法がある?
ピロリ菌の感染を調べる方法はいくつかあります。
| 検査方法 | 特徴 |
|---|---|
| 🔵 尿素呼気試験 | 呼気を調べる検査。感染診断や除菌判定に広く用いられます |
| 🟢 便中抗原検査 | 便からピロリ菌の抗原を調べます |
| 🟠 血液・尿中抗体検査 | ピロリ菌に対する抗体を調べます |
| 🟣 胃カメラによる検査 | 胃粘膜を採取してピロリ菌を調べます |
日本ヘリコバクター学会では、尿素呼気試験や便中抗原検査などをピロリ菌の感染診断・除菌判定に用いることができるとしています。
ただし、検査方法によって特徴や注意点が異なります。
また、胃酸を抑える薬などを服用していると検査結果に影響する場合があります。
「どの検査を受ければいいのか分からない」という場合は、医療機関で相談しましょう。
胃カメラでピロリ菌は分かる?
胃カメラだけで、必ずピロリ菌感染の有無を判断できるわけではありません。
ただし、胃カメラでは胃粘膜を直接観察できるため、
- 慢性胃炎
- 萎縮性胃炎
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん
などの有無を確認できます。
また、必要に応じて胃の粘膜を採取し、ピロリ菌を調べる検査を行うこともあります。
つまり、
ピロリ菌の有無を調べること
と
胃の状態を確認すること
は、どちらも重要です。
特にピロリ菌感染が疑われる方では、胃カメラで胃粘膜の状態を確認することが大切です。
ピロリ菌除菌療法はどのように行う?
ピロリ菌の除菌治療では、胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を組み合わせた3種類の薬を服用する方法が一般的です。
日本ヘリコバクター学会の市民向けQ&Aでは、一次除菌は通常、3種類の薬を朝夕2回、7日間服用すると説明されています。
一次除菌のイメージ
胃酸を抑える薬
+
抗菌薬①
+
抗菌薬②
↓
1日2回・7日間服用
↓
一定期間あけて除菌判定
という流れです。
現在の日本では、胃酸分泌抑制薬としてPPIやボノプラザンなどが使用され、抗菌薬との組み合わせによって治療が行われます。具体的な薬剤は、感染状況やこれまでの除菌歴などを考慮して医師が選択します。
「薬を飲むだけ」でも、最後まできちんと飲むことが重要
ピロリ菌除菌療法は、手術などではなく決められた薬を一定期間服用する治療です。
しかし、
「薬が多くて飲むのを忘れた」
「症状がないから途中でやめた」
「副作用があったので自己判断で減らした」
ということは避けなければなりません。
薬の飲み忘れや自己判断による中断は、除菌失敗につながる可能性があります。また、抗菌薬が効きにくい耐性菌の問題にも関係します。
処方された薬は、医師の指示どおりに服用することが大切です。
ピロリ菌除菌治療の副作用
除菌治療では、抗菌薬などを使用するため、副作用が起こることがあります。
代表的なものは、
- 下痢
- 軟便
- 腹部の不快感
- 味覚異常
- 発疹・じんましん
などです。
日本ヘリコバクター学会では、下痢・軟便が比較的多い副作用として挙げられており、味覚異常や皮膚症状なども報告されています。
⚠️ このような場合は注意してください
ひどい下痢
血便
強い腹痛
強い発疹
アレルギー反応
などがみられた場合には、自己判断で様子を見続けず、速やかに医療機関へ相談してください。
特に、過去にペニシリンなどの薬でアレルギーを起こしたことがある方は、治療前に必ず医師へ伝えてください。
ピロリ菌除菌後は「除菌できたか」を確認する
ここは非常に重要です。
薬を7日間飲み終わったから、それで治療終了ではありません。
除菌治療後には、実際にピロリ菌がいなくなったかどうかを確認する**「除菌判定」**が必要です。
日本ヘリコバクター学会では、除菌薬の服用終了後、4週間以上あけて尿素呼気試験や便中抗原検査などで除菌判定を行うと説明しています。
除菌治療の流れ
① ピロリ菌感染を確認
↓
② 一次除菌治療
↓
③ 7日間、薬を指示どおり服用
↓
④ 4週間以上あける
↓
⑤ 除菌判定
↓
⑥ 除菌成功を確認
この**「除菌判定」まで受けることが非常に大切**です。
一次除菌に失敗したらどうなる?
一次除菌を行っても、ピロリ菌が残っている場合があります。
その場合は、二次除菌を行います。
一次除菌と二次除菌では、使用する抗菌薬の組み合わせを変えて治療します。
日本ヘリコバクター学会の市民向けQ&Aでは、一次除菌に失敗した場合、別の抗菌薬を用いて二次除菌を行うことが説明されています。
重要なのは、
「1回目で失敗した=もう除菌できない」
ということではない、という点です。
一次除菌がうまくいかなかった場合も、医師と相談しながら次の治療を検討します。
ピロリ菌を除菌すれば胃がんの心配はなくなる?
いいえ。胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。
これが、ピロリ菌除菌後に最も覚えておいていただきたいポイントの一つです。
ピロリ菌によって長期間炎症が続いた胃では、除菌後も胃粘膜の萎縮などが残っていることがあります。
そのため、
ピロリ菌除菌
+
定期的な胃カメラ
という考え方が重要になります。
日本消化器内視鏡学会では、ピロリ菌感染や萎縮性胃炎、腸上皮化生がある場合には、胃がんの早期発見を目的として定期的な胃内視鏡検査が推奨され、除菌後も胃粘膜の萎縮などが残っている場合は胃がんリスクがゼロにならないと説明しています。
ピロリ菌除菌後の胃カメラが大切な理由
ピロリ菌を除菌した後でも、
「もうピロリ菌はいないから胃カメラは必要ない」
と考えてしまうのはおすすめできません。
胃カメラでは、
- 胃粘膜の萎縮
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん
などを直接確認できます。
特に長期間ピロリ菌に感染していた方では、除菌後も定期的な胃のチェックが重要です。
ピロリ菌を除菌することは「胃がん予防のゴール」ではなく、「胃の健康管理のスタート」と考えることが大切です。
ピロリ菌除菌後に胸やけが出ることはある?
ピロリ菌除菌後に、胸やけなどの症状が出る方もいます。
日本ヘリコバクター学会では、除菌成功後に胃酸が食道へ逆流して胸やけなどを起こす逆流性食道炎が生じることがあると説明しています。多くは一時的なものとされています。
ただし、胸やけが続く場合には、逆流性食道炎など別の病気が隠れていることもあります。
症状が気になる場合は、消化器内科へご相談ください。
ピロリ菌が心配な方は胃カメラを検討しましょう
次のような方は、一度消化器内科で相談することをおすすめします。
🔎 ピロリ菌検査を検討したい方
- ピロリ菌陽性と言われたことがある
- 家族に胃がんになった人がいる
- 胃炎を指摘された
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍になったことがある
- 胃もたれが続いている
- みぞおちの痛みがある
- 胸やけが続いている
- 過去にピロリ菌除菌をしたが、その後胃カメラを受けていない
- 健康診断で胃の異常を指摘された
ピロリ菌の検査だけでなく、胃そのものの状態を確認するために胃カメラが必要になる場合があります。
香芝市でピロリ菌検査・胃カメラを受けるなら
香芝市でピロリ菌検査や胃カメラをご検討の方は、やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックへご相談ください。
当院では、胃の症状についての診察から、必要に応じた胃カメラまで対応しています。
「胃カメラは苦しそう」
「以前、胃カメラでつらい思いをした」
「検査を受けたいけれど怖い」
という方にも、できるだけ安心して検査を受けていただけるよう、鎮静剤を使用した胃カメラに対応しています。
鎮静剤を使用することで、うとうと眠っているような状態で検査を受けることができ、検査中の苦痛や不快感を軽減することが期待できます。
また、平日は仕事などで忙しい方のため、土曜日も内視鏡検査に対応しています。
香芝市だけでなく、広陵町・上牧町・王寺町・大和高田市・葛城市・橿原市などから胃カメラを検討されている方にも、受診していただきやすい体制を整えています。
当院の内視鏡検査の特徴
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックでは、初めて胃カメラ・大腸カメラを受ける方や、以前つらい思いをした経験がある方にも安心して検査を受けていただけるよう、以下の体制を整えています。
🔵 鎮静剤(麻酔)を使用した検査
うとうとと眠っている間に検査が終わるため、苦痛や不快感を大きく軽減できます。
胃カメラに対して「怖い」「オエッとなるのが苦手」という方にもご相談いただけます。
※鎮静剤の使用には適応があり、検査後は自動車・バイクなどの運転ができません。
🔵 高精細BLI搭載カメラの導入
高精細BLI搭載の内視鏡システムを導入しています。
粘膜の微細な血管や表面構造まで鮮明に観察し、小さな病変の早期発見につなげます。
🔵 土曜日も検査可能
平日は仕事や家事、育児などで忙しい方でも受診しやすいよう、土曜日も内視鏡検査に対応しています。
🔵 胃カメラ・大腸カメラの同日検査に対応
患者さんの状態や検査内容などを確認したうえで、胃カメラと大腸カメラの同日検査にも対応しています。
1日で両方の検査を済ませたい方の負担軽減につながります。
🔵 駅前でアクセス良好
通いやすい立地で、地域の皆さまが胃腸の症状について相談しやすい環境を整えています。
胃の精密検査はもちろん、大腸ポリープや大腸がんが心配な方の大腸カメラも、あわせてご相談いただけます。
内視鏡クリニックの選び方
胃カメラ・大腸カメラを受けるクリニックを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
① 日本消化器内視鏡学会の専門医が在籍しているか
内視鏡検査では、病変を発見するための知識や経験だけでなく、必要に応じた組織検査や処置などの専門的な判断も重要です。
日本消化器内視鏡学会の専門医が在籍しているかを確認しましょう。
② 鎮静剤の使用など、苦痛を軽減する工夫があるか
「胃カメラが苦手」「以前つらい思いをした」という方は、鎮静剤を使用した検査に対応しているか確認しましょう。
③ 高精細な内視鏡システムを導入しているか
内視鏡検査では、粘膜の細かな変化を観察することが重要です。
高精細な内視鏡システムや画像強調観察に対応しているかも、クリニック選びのポイントになります。
④ 通いやすい立地・診療時間か(土曜診療の有無など)
検査だけでなく、検査後の経過観察や定期的な検査が必要になることもあります。
駅からのアクセスや駐車場の有無、土曜日の診療・検査に対応しているかなども確認しましょう。
⑤ 院内の衛生管理・プライバシーへの配慮がされているか
安心して内視鏡検査を受けるためには、院内の衛生管理だけでなく、検査前後のプライバシーへの配慮も重要です。
よくある質問
Q1.ピロリ菌が陽性と言われたら、必ず除菌したほうがいいですか?
日本ヘリコバクター学会の2024年改訂ガイドラインでは、H. pylori感染胃炎と診断された方に除菌療法を行うことが基本的な方針として示されています。
ただし、実際の治療については、胃の状態、既往歴、アレルギー、服用中の薬などを確認したうえで医師が判断します。
Q2.ピロリ菌除菌薬は何日間飲みますか?
日本で一般的に行われている一次除菌では、3種類の薬を1日2回、7日間服用します。
薬の種類や組み合わせは、患者さんの状況によって異なる場合があります。
Q3.ピロリ菌除菌後、胃カメラは必要ですか?
はい。除菌後も胃カメラによる定期的なチェックが重要です。
ピロリ菌を除菌すると胃がんのリスクは低下しますが、胃粘膜の萎縮などが残っている場合、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。
Q4.除菌薬には副作用がありますか?
下痢・軟便、味覚異常、皮膚症状などが起こることがあります。
軽い症状についても不安があれば医師へ相談してください。
強い下痢、血便、強い発疹、アレルギー反応などがある場合には、速やかに医療機関へ相談することが重要です。
Q5.ピロリ菌の除菌に成功したら、もう検査は必要ありませんか?
いいえ。
除菌成功後も胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。
特に胃粘膜の萎縮や腸上皮化生などがある方では、定期的な胃カメラが重要です。
まとめ|ピロリ菌は「除菌して終わり」ではありません
ピロリ菌は胃粘膜に感染し、慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどと関係する細菌です。
現在の日本では、H. pylori感染胃炎と診断された方に除菌治療を行うことが基本的な方針となっています。
除菌治療は、一般的に胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を組み合わせ、1日2回・7日間服用します。
そして、忘れてはいけないのが、
「除菌判定」
と
「除菌後の胃カメラ」
です。
薬を飲み終えただけで安心せず、きちんと除菌できたかを確認しましょう。
また、除菌に成功しても胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。特に胃粘膜の萎縮などがある方では、定期的な胃カメラによる経過観察が重要です。
「ピロリ菌がいるか調べたい」
「以前ピロリ菌を指摘された」
「除菌したけれど、その後胃カメラを受けていない」
という方は、一度消化器内科へご相談ください。
当院は日本消化器内視鏡学会専門医・指導医である院長が、一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察・検査を行っています。
胃の痛みや胃もたれ、胸やけなどの症状がある方はもちろん、ピロリ菌感染が心配な方にも、胃カメラを含めた必要な検査をご提案します。
香芝市・広陵町・上牧町・王寺町・大和高田市・葛城市・橿原市でピロリ菌検査・胃カメラをご検討の方も、お気軽にご相談ください。
香芝市で内視鏡専門医による鎮静剤を使った楽な胃カメラ・大腸カメラ
やまおか胃腸・内視鏡内科クリニック





