「体重が減った」と聞くと、多くの人はダイエットの成功や生活習慣の改善を思い浮かべるかもしれません。しかし、意図せず体重が落ちている場合は注意が必要です。運動量が変わっていないにもかかわらず体重が減る、食事量が以前と同じなのに痩せていく――こうした状態を**「不随意の体重減少」**と呼び、体のどこかで異常が起こっているサインであることがあります。

体重は、摂取したエネルギーと消費エネルギーのバランスで維持されています。このバランスが崩れ、摂取カロリーが少なくなる、消費エネルギーが多くなる、栄養の吸収が妨げられるなどの状態になると、体重が減少します。つまり体重減少は、食生活だけでなく、消化器機能、ホルモンバランス、感染症、ストレスなど様々な要因と関連しうる症状なのです。

特に、知らないうちに体重が減っていたり、半年で体重の5％以上が減少した場合は、健康上の異常が潜んでいる可能性があります。不安がある場合は、自己判断せずに医療機関での評価を受けることが大切です。

体重減少を放置してしまうと、疲労感や免疫力低下、筋力低下などにより日常生活に支障が出る場合があります。次のような状況に当てはまる場合は、早めの受診をご検討ください。

• 意図せず体重が減り続けている

• 半年で5％以上、または1か月で急激に減った

• 食欲が低下している、または食事量が減っていないのに痩せていく

• 便通異常（下痢・便秘）、腹痛、胃もたれ、吐き気を伴う

• 発熱・倦怠感・寝汗など他の症状を伴う

• 健康診断で異常を指摘された

症状が軽い期間が続いても、体の中では進行性の疾患が隠れていることがあります。特に40歳以降は消化器疾患の頻度が増える傾向があり、内視鏡検査などを含めた精査が必要になることもあります。

奈良県香芝市のやまおか胃腸・内視鏡内科クリニックでは、体重減少に関連する消化器症状の評価も行っており、必要に応じて内視鏡検査を組み合わせて原因を丁寧に確認します。

体重が減る要因は一つではなく、複数が絡み合って生じている場合があります。代表的な原因は以下のとおりです。

① 食欲低下

ストレスや生活環境の変化、感染症、薬剤の副作用などにより食事量が低下します。

② 栄養吸収障害

腸の炎症や疾患によって栄養が吸収されにくくなり、体重が減ることがあります。

③ 消化器症状の影響

腹痛、下痢、便秘、胃もたれなどがあると食事量が減り、痩せてしまうことがあります。

④ 過剰な代謝

疾患により体がエネルギーを通常以上に消費する場合、体重が落ちていきます。

⑤ 心因性要因

ストレス、不安、食欲不振、睡眠不足など自律神経が関係する場合もあります。

こうした原因は自己判断では見極めが難しく、症状が繰り返される場合は医療機関での精査が必要です。

体重減少は消化器系の疾患でよく見られる症状のひとつです。以下が代表例です。

疾患名	特徴
胃炎・慢性胃炎	胃の機能低下により食欲低下・胃もたれ
機能性ディスペプシア	胃の働きが弱くなり食後の不快感
潰瘍性大腸炎・クローン病	炎症性腸疾患で栄養吸収低下や下痢
虚血性腸炎	血流障害で腹痛・下痢・体重減少
大腸ポリープ・大腸がん	初期は症状が乏しい場合も
胃がん	食欲不振や体重減少が現れる場合がある
過敏性腸症候群	腹痛・便通異常で食事量低下

特に、体重減少と便の異常（血便・黒色便）、腹痛、倦怠感が同時に見られる場合は、早期の診断が重要です。消化器疾患の多くは初期症状が目立ちにくく、内視鏡検査によって初めて異常が確認されるケースも珍しくありません。

当院では、体重減少の背景を明らかにするため、症状や経過を丁寧に伺いながら、必要な検査を組み合わせて行います。

• 問診・視診・生活習慣の確認

• 採血検査（炎症・貧血・肝機能・腫瘍マーカーなど）

• 腹部超音波検査（エコー）

• 便検査（腸内環境・便潜血検査）

• 必要に応じて胃カメラおよび大腸カメラ検査

やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックは内視鏡診療を得意としており、胃腸症状の評価や消化器疾患の早期発見に力を入れています。症状の原因を正しく把握し、適切な検査を提案することで、患者さんの不安を解消するお手伝いをします。

治療は症状や原因に応じて異なりますが、以下のような対応が行われます。

• 生活改善（食事指導・睡眠改善）

• 栄養状態の確保、必要に応じた薬剤の使用

• 背景疾患に応じた治療方針の検討

• 定期的な再診による経過確認

体重減少は、単に「太るための治療」ではなく、減少の原因を明らかにし、その背景となる疾患や生活習慣に対処することが重要です。原因が解消されれば、体重が安定するケースもあります。

いつもよくある体重減少？

「最近忙しいだけ」「食事量が減ったせい」と思い込み、体重減少を軽視する方もいます。
しかし、体重変化は身体が発する重要なメッセージです。放置すると体力低下や免疫機能の低下につながることがあり、日常生活に影響することもあります。

もし、体重減少が続く、または短期間で急激に進行する場合は、早めの相談が安心につながります。

 一般内科に加え、「おなか」と「おしり」の専門診療を得意とするクリニックです。
消化器症状に精通した医師が診療を行い、必要な検査や治療を提案します。

さらに、

✔ 近鉄五位堂駅から徒歩2分
✔ クリニックモール共用駐車場18台完備

とアクセス面も優れ、お車でも公共交通機関でも通院しやすい環境が整っています。地域の皆さまに寄り添い、安心して相談できる医療機関を目指しています。

まとめ

体重減少は、原因がはっきりしない場合でも身体が異変を知らせている可能性があります。特に、食欲低下や便通異常、腹痛などを伴う場合は、消化器疾患が関係していることもあります。不安がある際は、早めに医療機関へ相談してください。

やまおか胃腸・内視鏡内科クリニックは、一般内科だけでなく消化器・肛門領域にも強みがあり、体重減少と関連する症状の診療にも対応しています。健康に関する小さな疑問でも、お気軽にご相談ください。