内科は、体の不調や生活習慣に関連した病気、感染症など、幅広い症状を扱う診療科です。「どの科に行けばよいか分からない」と迷った際の入口として、多くの患者さんに利用されています。咳や発熱などの急性症状から、生活習慣病のように長期間付き合う疾患まで、内科は日常の健康管理を担う重要な役割を果たしています。

人間の体は、複数の臓器や機能が互いに関係しながら働いているため、ひとつの症状が複数の病気と関連することも少なくありません。例えば、腹痛ひとつをとっても、胃・腸の不調だけでなく、ストレスや生活習慣、感染症などさまざまな要因が関わります。内科では症状の背景を丁寧に確認し、必要な検査を行い、患者さんの状態を総合的に評価していきます。

「なんとなく調子が悪い」「原因が分からないけれど気になる症状がある」そんな時こそ、内科が受診の最初の窓口となります。

内科で扱う症状は多岐にわたります。日常生活のちょっとした違和感から受診される方も多く、症状が軽いからといって油断せず、まずはご相談いただくことで適切な対応につながる場合があります。

代表的な症状の例

• 発熱、悪寒、咳、喉の痛み

• 腹痛、便秘、下痢、胸やけ、胃もたれ
  

• 倦怠感、疲れやすい、食欲低下
  

• 動悸、息苦しさ、めまい
  

• 血便・下血、黒い便が出る
  

• 不眠、体重減少、だるさが続く

症状の背景には、感染症、生活習慣病、胃腸の機能低下、精神的ストレスなど、多様な原因が潜んでいます。同じ症状であっても人によって原因は異なるため、問診や検査を通して状態を見極めていきます。

内科で診療することが多い病気には以下のようなものがあります。

感染症系の疾患

• 風邪（上気道炎）

  
  　ウイルス感染による発熱・喉の痛み・咳が中心。

• 急性胃腸炎

  
  　細菌やウイルスが原因で下痢や腹痛、吐き気を生じることがあります。

• 肺炎・気管支炎

  
  　咳や痰、熱が続く場合に疑われます。

胃腸・消化器系の疾患

• 逆流性食道炎

  
  　みぞおちの痛みや胸やけの原因になることがあります。

• 過敏性腸症候群

  
  　ストレスなどで腹痛や便通異常が続くことがあります。

• 胃炎・慢性胃炎

  
  　食事内容や生活習慣が関係する場合があります。

生活習慣病

• 高血圧症

• 脂質異常症（コレステロール異常）

• 糖尿病

これらは自覚症状が乏しいまま進行することがあり、放置すると重篤な病気の要因となる場合があるため、定期的な受診が大切です。

症状がなかなか治まらない場合、以下のような要因が関係していることがあります。

• 生活習慣や食事の乱れ

  
  　脂質の多い食事、睡眠不足、ストレスは胃腸や代謝機能に影響を与えます。

• 潜在的な慢性疾患の存在

  
  　生活習慣病は自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することがあります。

• 感染症の長期化

  
  　ウイルスや細菌感染では、体力低下や免疫の状態によって回復まで時間がかかる場合があります。

• 自己判断での市販薬使用

  
  　一時的に症状が紛れても、原因が改善されないまま慢性化することもあります。

症状が続くからといって、必ず深刻な病気が隠れているわけではありません。しかし、原因を明確にせず様子を見るだけでは、回復のタイミングを逃してしまうことがあります。

以下のような状態が見られた場合は、早めの受診が推奨されます。

• 症状が1週間以上続く

• 食事がとれない、体重が減る

• 夜間も眠れないほどの症状

• 血便や黒い便が出る

• 動悸や息苦しさが頻繁に起こる

• 発熱が長引く、繰り返す

これらは一般的な目安であり、該当する場合が必ず重い病気を意味するわけではありません。ただし早期の評価によって安心につながり、必要な治療や生活改善を始めるきっかけになります。